先日クライエントさんから頂いたメールが、
トラウマをとても上手に扱ってらっしゃるご様子だったので、
シェアさせていただきたいと思います。
パートナーの不倫の副産物にトラウマがあります。
パートナーはトラウマを抱えさせてやろうと思ったわけではないでしょうが、
ダメージを受けた方としてはとてつもない重荷を背負わされたような気になってしまいます。
そしてこのトラウマが、夫婦仲を修復しようとする二人の間に、障壁となって立ちはだかります。
トラウマは突如として心にわき上がってくる思いですから、予測不可能です。
そして感じている本人だって、そんなものをわざわざ呼び込みたいと思っているわけではないのです。
ですが、傷つけた方としては、パートナーが自分が犯したことで
苦しんでいる様子を見るのは、とても心苦しく罪悪感も感じます。
それが責められているようにも感じて、「いつまでもしつこい」なんて思ってしまったり、
言ってしまったりしてしまいます。
ダメージを受けた方としては、そのダメージのケアをしてもらえないうえに、
傷を無視されたり、逆に「しつこい」なんて責められたりしてしまうと、
「誰の所為で・・・」と怒りが湧いてきます。
こんな悪循環が二人の間に居座っているのです。
さて前置きが長くなりました。
いただいたメールの一部をご紹介します。
彼女はご主人の日常の行動のひとつに、ある日不安を覚えました。
それはとても小さい出来事ですが、不倫中に夫が取った行動パターンを思い出させるものでした。
それが呼び水となって、彼女の心の中にトラウマがやって来ました。
ですが夫婦仲を修復中の彼女は自分に
「これは些細な出来事だ。気にするほどのことではない」
こう言い聞かせていたのです。
この日のカウンセリングは、彼女の言う「些細な出来事」についてでした。
「気にするほどのことではないのですが・・・」
カウンセリングは彼女のこの言葉から始まりました。
先日のカウンセリングで、トラウマの苦しさを、私一人で完結(結局は蓋でした)しようとする私に
「こんなに涙が出るぐらいの事なんだよ!」
と、泣いてる私の代弁をしてくださった事、とても心にしみました。
どう、夫に伝えようか、色々考えてるうちに、とても自分が可愛く思えました。
泣いてる私の欲しいものが、夫からの安心…だなんて、めちゃくちゃ可愛いって、泣けてきました。
そして、紙芝居とかで説明するより、そのままの気持ちを、よいタイミングでシンプルに言うことにしました。
そして今朝、鼻風邪が苦しいのと、心が苦しいのとが重なりました。
夫の出勤前に「安心が欲しい」とか伝えても迷惑かも…といつもの癖が出ましたが、
昨日のゆずはさんの
「涙が出るぐらいの事なんだよ!」
の言葉が思い出されて、夫に
「今、鼻風邪もだけど、心も調子が悪い。怖いこと(不倫のトラウマ)から私を守って欲しい。大丈夫って安心させて欲しい。大丈夫って言って。」
と伝えました。
夫は一瞬ギョっとしましたが、分かりやすかったのでしょう。
「大丈夫、大丈夫…」
と優しく呪文のように言ってくれました。
それだけの事なんだけど、心が軽くなり救われました。
その気持ちも伝えたくて、後から
「ありがとう^ ^」
ってハグしました。
私は夫に守られたいのですね。
改めて気づきました。
今まで自分のことを自分で守らなきゃって頑張ってたのだと思います。
心の奥深くで「夫を信頼してはいけない」という頑なな物を握りしめていたのかもしれません。
それが「安心したい、守って欲しい」を言葉に発したことで、頑なな物が溶けたような感覚になりました。
これまでも「夫と夫婦として歩みたい」という私の欲しいものに気付いているつもりでしたが、「安心したい、守って欲しい」というさらに柔らかなしっくりとくるキーワードにやっと巡り会えました。
「私は夫に守られたいんだね」と話しかけると、泣いてる私が嬉し涙を流します。
これは何ですか?
またゆっくり、ゆずはさんと心の話ができる、次回のカウンセリングが楽しみです。
今まではトラウマがやって来たときには、ポジティブなことを考えるようにしていたそうです。
ですが、心に残ったしこりはジクジクと痛み、やがて爆発してしまう・・・・
そんな事をくり返しては、また自分を責めるパターンに落ち込んでいた彼女です。
今回は、「悲しいことを悲しい」と、カウンセリングの中で私と二人でとことん向き合いました。
その結果、彼女の中からいつもとは違う行動をしようという案と勇気が出てきました。
そしてそれは、彼女にとってもご主人にとっても、正解だったようです。
ご主人もキレることなく、優しく対応して下さったようですし、
この後にいただいたメールには、更に関係性が良くなっているように感じられたそうです。
このように、自分にとって必要なものは、自分の中から答えが出てきます。
そしてそれは自分にとっての一番の正解なのです。
今回それを素直に実行できた彼女の勇気と行動力に、心から拍手を送りたい気持ちです。
そしてここへの掲載を快く応じて下さったことに感謝します。
これからますますご自分の欲しいものを手に入れて行かれることでしょう。
まだしばらくご一緒に歩かせていただけそうですので、彼女の笑顔に出会えることがとても楽しみです。
私もとても温かい気持ちになれました。
嬉しい気持ちのお裾分けをありがとうございました。