愛はそこにある

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夫婦関係を修復中は、様々な悩みや問題点にぶつかりますね。

その中でも特に多いのは、
「夫は私を愛してはいないのではないかしら。そんな状態なのにやり直すことに意味があるのかしら?」
という疑問。

不倫という嵐に見舞われたのですから、愛されているという自信をなくしてしまうのはもちろんのことですが、やり直すと決めて夫婦で再生への道を向かっているにもかかわらず、絶えずそんな疑問がつきまとって、夫婦の再生に集中できない… というお声をよく聞きます。

そこにはどんな事が起こっているのでしょう?
その声をもう少し詳しく観てみましょう。


A子さんはこう言われました。

「夫は私の事なんか愛していないのです。

本当に愛していたら、一緒に出かけて楽しい時間を過ごすとか、愛していると言ってくれるとか、そんな愛情を示すような態度があるはずです。

だけど、夫婦をやり直すと決めたにもかかわらず、そんなことは一度だってありません。
夫の不倫が終わって変わったことは、以前よりも早く家に帰ってきて、食後の皿洗いなどの家事を手伝ってくれるようになったことぐらいです。

それが罪滅ぼしだとでも思っているんでしょうね」

A子さんご夫婦は、ご主人の不倫が終わり、二人でやり直すと決めました。

不倫相手とは手が切れ、やっとこれで夫婦らしい愛情が育めるとA子さんは期待していたのですが、日常生活の中ではA子さんが期待するようなことは起こりませんでした。
A子さんは、自分の期待が裏切られる度に、愛されていない証明をされているように感じ、苦しい思いに駆られていました。

さて、このご夫婦の間に本当に愛情はないのでしょうか?

A子さんはご主人に聞いたそうです。
「私と本当にやり直したいと思っているの?」と。

ご主人の返答は、
「思っている。だから早く帰ってきてるし、家事も手伝ってる」
ということでした。

ですがA子さんにすれば納得がいきません。

早く帰ってきて家事さえ手伝えば、夫婦をやり直せると思っているご主人に、
絶望的な気持ちになってしまいます。

不倫相手にはプレゼントを贈ったり、楽しいデートをしたりしたのに…と、
とても恨めしい気持ちになってしまうのです。

そして、私は愛されていないのだと結論づけてしまい、A子さんはとても悲しんで居られました。

こういった気持ちのすれ違いは、不倫を経験しなかった夫婦間でもよく起こることです。

A子さんから観れば、ご主人はちっとも反省していないように見え、愛情の表現もなく、バツが悪いから家事を手伝っているとしか思えないのです。

ですが、それは本当の事でしょうか?
では、ご主人はどの様に思っていたのでしょうか?

B夫さんの声を聞いて見ましょう。

「長年連れ添った妻に、今さら愛しているというのはこっぱずかしくって… 

それに、私が不倫をして家庭を危機に陥れたわけですから、そんな気持ちを言ったところで、何を調子のいいことを。と思われるのがオチです。

ですから、少しでも誠意をわかって欲しくて、妻が不安にならないように会社からも早く帰るようにしています。残業だと嘘を言って不倫相手と遊んでいたのを知っていますからね。

それに家に居てよく見てみると、なかなか主婦業というのも大変なようで、子供の面倒をみながらその合間に家事をしていて、ちっともじっと座っている暇がないようなんです。

今までそんな妻に甘えてしまって何も手伝ってきませんでしたから、少しでも手伝ってやったら、妻も喜んでくれるんじゃないかと思っているんです」


夫は反省していない、愛情が無いと思っていたのは、どうやらA子さんの思い込みだったのかもしれませんね。

では、どうしてそのご主人の思いが伝わらなかったのでしょう。

それはこのパズルのようなことがお互いの間に起こっているんですね。

どう言うことかというと、
愛情の形は人によって違うのです。

A子さんの例で言えば、A子さんの愛情の形が△だったとします。ですが、ご主人の愛情の形は○です。

A子さんは愛情を受け取りたくてしかたがないのですが、B夫さんが渡してくれる形は○ばかり。
なので、自分の心のお家に入らないのですね。

結果、B夫さんから愛情をもらえない。と思ってしまうのですね。

私たちは自分が欲しいと思う形はよく知っています。
そして、愛の形は、自分が知っている形だけだと思い込んでしまうのです。

○じゃイヤ。□じゃダメ。△でなければ。

そのように思ってしまうのですね。
だから△ばかりを探してしまうのです。

そしてご主人の不倫ということが心に有りますから、どうしてもそこへ比較しに行ってしまいます。そんな時に不倫相手が△をもらっていたと知ると、とても辛くなってしまうのですね。

私は△をもらえない。きっと夫は私の事をあげる価値が無いと思っているんだろう。
という想像と結びついたりしてしまい、余計に辛い気持ちに陥ってしまいます。

ではB夫さんはなぜA子さんが欲しがっている△の形にして渡さないのでしょうか?

それはB夫さんにとっては、△は愛情の形でもなければ反省の形でもないからなのです。

それを不倫相手に与えていたのは、△が不倫に演出を加えてくれる単なるアイテムだったからなのです。
ですから、現実生活に戻った今、B夫さんにとっては自分が慣れ親しんだ愛情の形にして、A子さんへと差し出しているのです。

くれない。
もらえない。
愛はない。

そう決めつけてしまう前に、もう一度よく見てみませんか。
そして検証してみませんか?
本当に愛情はないのか。
誠意はないのか。を。

きっと今まで気づかなかった物が見えてくると思います。
そしてそれは、あなたがとても欲しがっていたものかもしれませんね。

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