被害者という名の加害者になっていませんか? その2

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前回の記事「被害者という名の加害者になっていませんか? その1」の続きです。

(前回の内容)
「夫は反省しない人」というレッテルを貼り、やがて、夫に対して反感と諦めの気持ちを持つようになっていきます。

この「夫は反省しない人」という思いがあると、どんなことが心の中で繰り広げられるでしょうか?

先ず反感ですが…

憎しみ、恨み、嫌悪感、
こんなものに姿を変えて自分に襲いかかってくると思います。

そして諦めの気持ちは。

無力感、脱力感、倦怠感など、生きる気力を萎えさせるのではないでしょうか。

人間は生きていくことが命題ですから、
無力感を感じると恨みや憎しみなどの怒りが、生きるための動力源となります。

また、憎しみ、恨みを感じると、自分が粗末に扱われているような気になり、
自分自身に自信が持てなくなっていきます。

自信が持てなくなると、他者が羨ましくなり、自分だけが不幸だと思え、
生きていくことが虚しくなっていきます。

と、このように悪循環が起こっていき、どんどん虚しく、苦しく、辛くなっていきます。


始まりは夫が反省しなかった、という出来事でした。
ですが、その後延々と自分の心の中で、この悪循環が繰り返されていくのです。

憎しみ、恨みの気持ちを持っていると、私たちの脳は、相手の悪いところを探します。
自分にとって気に入らないところ、自分のルールや社会的ルールから外れているところ、それを上手く見つけられないと曲解をしてまで、相手が間違っていると証明しようとします。

目を皿のようにして相手を見つめ、気が付けば心の中で「ほらっ!」と叫んでいるかもしれません。
まるで嫁いびりの姑の如く…・

なぜこんな事が起こるのかといえば、脳は私たちの命令に忠実だからです。

だから、相手が憎いと思えば、
はいは~~い、ご主人様~~。今日も夫ったらこんな酷いことをしでかしましたよ!
と、脳は報告に来るのです。

そのために目をみはり、耳を澄ませ、想像力も働かせます。
そして自分が望んだとおりの結果を手に入れようとするのです。

また諦めの気持ちは、こんなものを運んできます。

  • どうせ私は幸せになれない。
  • 何をやっても嫌われる。
  • やっぱり私じゃダメなんだ。

など、自分自身へと攻撃の刃を向けてしまいます。


さて、こんな状態の心で居るとどんなことが起こるでしょうか?

例えば夫が家事を手伝ってくれたとします。
夫にすれば、妻が忙しそうだからたまには手伝ってやろう。
そんな親切心から出た物だったかもしれません。

ですが、反感と諦めが常に胸の中にありますから、親切や思いやりだなんて到底思えません。

そこで脳はあなたに囁きます。
「あんなもので自分のやったことを帳消しにしようと思っているのよ。絶対に誤魔化されちゃダメよ」と。

そしてあなたは思います。
「フン!今まで頼んだってやらなかった癖に、どういう風の吹き回しかしらね!」と。

更にこんな事も思うかもしれません。
「あ~~あ、やってくれるのはいいけれど、鍋は汚れがちゃんと落ちていないし、キッチンはビショビショ。余計に手が掛かるわ!本当に、もう!!( ̄‥ ̄) = =3」と・・・・

これこそ脳の罠にハマっている状態なのです。

被害者で居なければいけないので、夫の親切は自分への被害にならなければいけません。
ですからそのように変換されるのですね。
もちろん、また被害を被ったわけですから、感謝する気など起ころうはずがありません。

かくして、相手の親切や思いやり、愛情など、受け取れない私が出来上がるのです。

受けとってもらえないと、人はあげるのが嫌になります。
親切にしたって、優しくしたって、文句を言われるのなら、もうしたくない!と思ってしまうんですね。

もうしたくないと思っている夫を見ると、私たちは、
「ほ~ら、やっぱり。反省なんかしていないのよ。見せかけだけだったのよ」という答えを得るわけです。

そして、私の思った事は正しかった!!と、納得をし、気持ちが落ち着くのです。
それは脳が、ご主人様の命令を、正しく実行したという証明になることだから、気持ちが落ち着くのですね。

だけど、なんか、ちょっと変だと思いませんか?
苦しみたくないはずなのに、苦しくなることを選び、本当は嫌いになんかなりたくないのに、嫌いになることを選んでしまう・・・・

被害者で居るということは、こんな矛盾の循環を繰り返すということでもあると思います。

そして、何より悔しいのは、受け取れなかった妻に対して、
夫が「あげたのに受けとってもらえなかった被害者」になっちゃうことです。
こちらにはまったくそんな意識はなくても、夫側はそう思っちゃうのですね。

なぜそんなことになっちゃうのか・・・・

次回はそんなところを考えてみましょう。

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