被害者という名の加害者になっていませんか? その1

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再構築を頑張っているのに、なかなか思うように進まない。
夫の逆ギレにあってしまい、心が萎えそうだ。

何で上手くいかないのだろう?
どうして、前に進めないのだろう?

それは私の夫が他の人達の夫と違って、反省などしない酷い人だから?

再構築なんて夢のお話しじゃないかしら・・・
上手く行く人なんて、ほんの一握りの特別な人達だけじゃないかしら・・・

目の前に立ちはだかる壁が高すぎて、そのように思っちゃう事ってありますよね。

それには妻側からは見えない視点があります。
夫婦関係がギクシャクして改善に向かえない、その1つのポイントを見てみましょう。

「再構築がなかなか上手くいかない」という人達がつまずいている大きなポイント。
それは、
「不倫をした夫が、心からの反省をしなければ、再構築は出来ない」
という思いがあることです。

夫婦をやり直すのだから、悪いことをした人が、
被害者である私に心からの謝罪をして、心を入れ替えるべき。
夫の不倫によって傷ついた妻の心の中には、こんな思いがあるかと思います。

私たちは小学生の頃から、いいえもっとそれ以前から、親から教師から、周りの大人達から、
「悪いことをしたらちゃんと謝りなさい」
「もう二度としないように反省をしなさい」
このように言われて育ってきました。

ですから、家庭という秩序を乱し、信頼を失墜させ、信じていた妻をこのように苦しめるというのは、とても悪いことで、その悪いことをした夫は、苦しめた分に見合うだけの謝罪と信頼に値するだけの反省の態度を見せるべき。そう思っているんですね。

私たちは一般的に言って、自然にこのように考えてしまいます。

それに加えて傷ついた側というのは、傷ついた事によって心が非常事態宣言発令中で、
些細なことにも神経が過敏になって反応します。

ですから、今笑っていても、不意に悲しくなったり辛くなったり、裏切られる恐怖に足がすくみそうになったりして、心が安定しないものですから、それを感じて居る自分が苦しくって仕方がありません。

そしてそんな苦しみを夫に理解してもらいたい、理解したうえで優しく慰められたい、謝られたい。
と思っていますから、夫にそのことを訴えます。

ところが期待に反して、夫からは
「いつまで言っているんだ」
とか、
「いい加減にしろ」
とか、場合によっては、
「文句を言うなら離婚しよう」
などと脅しめいた言葉まで飛び出したりします。

そうすると、傷ついた方もわかって欲しいという必死な思いがありますから、
いかにあなたが酷いことをしたのか、どんなに悪い人なのかということを
証拠を並べ立てて立証しようとします。

その根底にある思いは「悪いことをした人は、謝るのが当然でしょう」という、
そう、子供の頃に教えられたあのルールです。

それを看板に、検事になり、裁判官になって、夫を裁こうとするのです。
そして傷ついた方のここでの判決は、夫は「有罪」に決まっているのです。

夫の方も「有罪」なんて判決を下されてはたまりませんから、反撃を試みます。

上手く自己弁護を出来ない人は、だんまりか無視をします。
少し気の強い人は、「うるさい」とか「いい加減にしろ」などと、
相手を威嚇することで追い払おうとします。

切羽詰まって窮鼠猫を噛む状態の人は、「それなら離婚だー!」と、
全部を投げ出すちゃぶ台ひっくり返し方式を採用しようとします。

こうして夫婦の間は、改善されていくどころか、更に不信感や不安感がつのります。

無視、威嚇、逃避など、いずれの場合でも、
傷ついた側の期待通りの結果ではありませんから、そのことによってまた大きく傷つきます。

そして、「夫は反省しない人」というレッテルを貼り、やがて、夫に対して反感と諦めの気持ちを持つようになっていきます。

この反感と諦めの気持ちが、夫婦の再構築を更に難しいものにしているのです

今回は夫の不倫によって傷ついた妻側からの視点を見ました。

次回は、心の中に居座っている「ルール」や「観念」について考えてみたいと思います。

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